炭素繊維強化プラスチック製プロペラで内閣総理大臣賞（ものづくり大賞日本）受賞

ナカシマプロペラ（本社・岡山市東区、中島基善社長）は、岡山市の推薦を受け内閣総理大臣表彰「ものづくり大賞日本」の製品・技術開発部門において、炭素繊維強化プラスチック製プロペラが最高位である内閣総理大臣賞を受賞いたしました。案件名は「省エネを実現する、商船に世界初搭載した炭素繊維強化プラスチック製プロペラの開発」です。

炭素繊維強化プラスチック製プロペラ（以後、CFRPプロペラと呼ぶ）の研究開発は、平成19年度から平成23年度まで日本財団および（一社）日本舶用工業会の助成を受けていました。平成24年度から平成26年度までは、（一財）日本海事協会の「業界要望による共同研究」スキームによる研究支援を受け、東京大学大学院工学研究科、海上技術安全研究所、日本郵船(株)、(株)MTI、今治造船(株)および日本海事協会との共同研究により実施いたしました。これらの研究開発により、平成26年5月に双和海運（本社・笠岡市、大内裕夫社長）の499総トン型ケミカルタンカー「大興丸」に一般商船としては世界で初めて主推進用としてCFRPプロペラを興亜産業（丸亀市）で搭載いたしました。就航後の結果としては、省エネおよび低振動を実現し、船主に大変喜んで頂いております。

この実績により、ナカシマプロペラは平成27年1月からCFRPプロペラの販売を開始いたしました。本年5月にはCFRPプロペラ販売第一号となる499G/Tケミカル船に搭載されました。本船の船主は、CFRPプロペラ搭載初号船「大興丸」と同じ双和海運であり、採用の動機は船内の静粛性でした。現在、ケミカル船、旅客船、漁船等の受注があり、平成28年秋には旅客船向けに可変ピッチ型CFRPプロペラを搭載予定です。CFRPプロペラは、省エネだけでなく船内騒音対策や水中放射雑音低減にも寄与できる推進装置のイノベーションであり、今後の活躍の場の広がりを感じさせます。

最後に、ナカシマプロペラからこの場を借りて本受賞に当たり多くの関係者の方々に対して深く感謝の意を表します。
 

CFRPプロペラ搭載初号船「大興丸」	首相官邸HPより

【受賞件名】
省エネを実現する、商船に世界初搭載した炭素繊維強 化プラスチック製プロペラの開発

【受賞者】
山磨 敏夫、櫻井 貴哉、魚田 直希、井上 俊之、林 和也、河合 哲也、塩田 真歩

【概 要】
積層工程等、独自の成形プロセスを確立し、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を用いた船舶用プロペラを開発。製造法 および設計について世界で初めて船級承認を得て、一般商船への搭載を実現。 CFRPによってプロペラの軽量化・大直径化が可能となり、高性能化によって9％の燃費向上によるCO2削減や燃料コス トの削減に貢献するとともに、30%以上の振動や騒音の低減 による居住性の向上にも貢献。

【参 考】
◆「第6回ものづくり日本大賞」受賞者決定！ <経済産業省HP>
http://www.meti.go.jp/press/2015/10/20151028003/20151028003.html

◆ものづくり日本大賞表彰式 <首相官邸HP>
http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/actions/201511/09monodukuri.html

◆ものづくり日本大賞表彰式（動画) <政府インターネットテレビ>
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg12674.html