船の操船に大きくかかわる舵。船の用途や航路によって保針性と旋回性のバランスが異なりますが、両者のバランスを理想的なものにした最適な舵のラインナップを揃えています。
ナカシマプロペラではドイツのベッカーマリンシステムズ(BMS) 社と技術提携し、フラップラダーを始め多くの種類の舵を生産・販売しています。ナカシマの舵はラダートランクの構造に特徴があります。キャリア部とシール部さらにネック部軸受を一体のラダートランク構造にすることで、従来の舵に比べて非常にシンプルな構造となり、取り付け工数が大幅に削減できます。またキャリア部には自動調整芯ころ軸受を採用しており、ネック部軸受の偏摩耗を削減することができます。
ベッカーラダーの代名詞とも言えるナカシマプロペラの主力商品です。小型船から大型船まであらゆる種類の船に対応しており、すでに2800隻の販売実績があります。フラップの効果により、同面積の普通舵に対し2倍以上の揚力を発生させることができ、船の操船性能を飛躍的に向上することが可能です。主舵板の舵角が45度のとき、フラップは船の前後方向に対して90度向くようにリンク機構が設けられており、舵角60度仕様へも対応できます。中大型の吊舵ではKSR型ラダートランク構造を採用しています。
中大型船に多く使用されているマリナー舵に対抗する舵です。ラダートランクのネック部軸受を舵板内部の舵圧中心位置近くに配置することで、舵軸の曲げモーメントが減少し、舵軸径及び舵板厚さを薄くすることが可能です。ラダーホーンが無いので芯出しのための機械加工が不要となり、舵システム全体の取り付け工数が大幅に削減し、また重量も大幅に軽減(30%以上)できます。ラダーホーン構造の舵に比べて有効舵面積が増え、舵全体が可動部となるため舵効きも向上します。このラダートランク構造は中大型の吊舵(普通舵、フラップラダー、ツイストラダー)に採用されています。
一般のフラップラダーと共通のラダートランクを採用した非常にシンプルな構造の舵です。中型以上の吊舵の場合は、舵板上端部にハブ部を設け舵軸とテーパ結合し油圧ナットで固定します。船速などの設計条件が厳しい場合は、ラダートランクを舵板内に入れる構造(KSR型)となります。
舵の前縁をプロペラ軸中心延長位置の上下で左右にツイストさせるとともに、最適断面形状を採用したKSR型トランク構造の舵です。大型高速船向けの省エネ舵としてのメリットが大きく、およそ2%の効率アップが見込めます。またバルブ付き、フラップ付きなど他の省エネ機構との組み合わせにより、さらに効率アップが可能です。韓国では大型高速コンテナ船向けの標準舵として認知されており、日本では2008年に三菱重工業長崎造船所が大型RoRo船4隻向けに最初に受注しました。本製品はBMS社からの輸入販売となります。
ナカシマプロペラでは前述以外にも、固定のコルトノズルおよびノズルラダー(固定フィン付き、フラップ付)を製造・販売しています。