
PRODUCT SOLUTION
固定ピッチプロペラ
大規模CFD システムによる設計技術
低燃費性・超省エネが求められる限界小翼面積プロペラの設計のためには、高精度なキャビテーション予測が必要不可欠です。
当社では8000コアという大規模なCFDシステム(数値流体解析)でキャビテーション計算を実施することにより、
短時間で高性能な設計を実現しています。
さらに、省エネ性を叶えるための開発過程においても、多くの会社が時間と費用をかけ模型試験を行う中、当社ではこの大規模CFDを活かして、実機スケールでの省エネ効果を検証しています。
~CFD によるキャビテーション解析例~
限界小翼面積とNHV 技術の融合
ナカシマプロペラでは、国交省のGHG(温室効果ガス)削減プロジェクトの一環として、限界小翼面積NHV(ノンハブボルテックス)プロペラの共同研究を実施しました。
また、本研究の成果となった限界小翼面積の設計技術を融合したものが、限界小翼面積NHVプロペラです。
小翼面積化による摩擦抵抗の軽減とNHV技術のハブ渦回収効果により更なる高性能化に成功しました。
~ハブボルテックスキャビテーションの比較~
チップレーキ(キャビテーションの抑制)
プロペラ翼面積の減少はキャビテーションの増加に繋がる…。その常識を覆したのがチップレーキ付き限界小翼面積NHVプロペラです。
翼先端の形状を局所的に湾曲させたチップレーキがキャビテーションの発生を抑制し、エロージョンリスクの減少と変動圧力の低下を実現。
小翼面積でありながら、キャビテーション性能は向上するという、相反する事象の両立をチップレーキ技術が可能にしました。
実船で証明された高効率プロペラ
限界小翼面積プロペラの効率は計算や模型試験だけでなく、実船においてもその高効率を証明しています。
就航記録を含めた詳細は日本船舶海洋工学会の講演会にて発表されました。
- 限界小翼面積プロペラの研究 第1報 小翼面積プロペラの設計と模型実験/日本船舶海洋工学会講演会論文集16号 No.2013S-GS4-9
- 限界小翼面積プロペラの研究 第2報 小翼面積プロペラの実船実験/日本船舶海洋工学会講演会論文集16号 No.2013S-GS4-10
船種 | 現装プロペラとの効率の比較(%) | ||
プロペラ単独効率 | 自航試験 | 実船/海上運転 | |
ケミカルタンカー | +2% | +4% | +4.5% |
~実船での性能確認~
高品質を支えるものづくり
推進性能を最適化するためには、設計通りにプロペラを製造することが肝要です。
高精度な翼面加工機、安全性を高めるプロペラ反転機をはじめとする最新設備、1/100mmの誤差を見分ける熟練工の技術、IoTを活かした最先端の生産管理などにより、高性能なプロペラを生み出しています。
また、ナカシマプロペラが掲げる「品質管理」の範囲は、完成時の検査だけには決して留まりません。
受注後の部品の受け入れ検査から、製品としての完成検査まで全ての工程において製品の品質を監視し、基準に合格した製品がお客様に届けられるまで検査・検証し、品質を保証します。
チップレーキ効果
ナカシマ独自の翼先端形状を採用することで、キャビテーションや高次の船尾変動圧力の軽減が期待できます。
従来型 チップレーキタイプ
ハイスキュー効果
ハイスキューとはプロペラ翼に強い後退角がある状態をいいます。
この特異な形状はプロペラに起因する船体振動と騒音を減少させます。
キーレスプロペラ
キーレスとは文字通り回転軸とプロペラの結合にキーを使わない方式です。
プロペラ軸をプロペラの軸穴に圧入すると、特定の条件下では接触部が完全に接合した状態になり、一度軸とプロペラが接合されると、プロペラは軸から押し戻されることなく完全に固着します。
キーレスの信頼性は極めて高く、現在では大型商船のほとんどがこのキーレス方式のプロペラを採用しています。
