ナカシマプロペラでは推進性向上を目的に、エネルギー効率を高める船尾まわりの省エネ付加物の開発と製造を行っています。
プロペラ後縁部より発生する周方向の流れによりキャップ後端部に発生するハブ渦は、エネルギーロスの原因となります。ハブ渦を拡散しロスを回収する目的で500種類以上のキャップ形状を試設計したところ、最終的に複数枚の翼を装着したキャップ形状に最も効果がみられ、これがECO-Capの原型となりました。
キャップ後端部の圧力分布は通常キャップでは負圧による抵抗が大きくなっていますが、エコキャップでは正圧により推力を発生しているため、通常キャップと比べて推進力が増加していることがわかります。模型試験ではプロペラ形状(翼数・ピッチ・ボス径)に依存するが、約1~1.3%効率が改善しました。
金製のキャップ本体に取付けました。FRP素材を用いることで、標準キャップとの質量差も最小限に抑えることに成功し、既存船にて実船装着した結果では、エコキャップ装着前に比べて約2.8%の燃料消費量の改善効果がみられました。