ラダーバルブによる効率改善の要因として以下の3つが挙げられます。
1) ハブ渦の発生を抑制させる。
2) 伴流の均一化と共に、伴流利得を得る。
3) プロペラと舵の干渉影響を改善する。
プロペラに近い位置にラダーバルブがある方が効果的であるため、アルティメットラダーはキャップに丸みを持たせることでプロペラに最も近い位置にバルブを配置しています。
通常舵ではエネルギーロスとなる強いハブ渦がキャップ後端から舵の左舷側に向けて発生していますが、アルティメットラダーではバルブヘッドが渦を回収しています。これにより舵前縁の負圧が増加し、舵抵抗が減少、アルティメットラダーによって船殻効率が改善されることがわかりました。模型船を用いた自航試験結果では、5~6%以上の効率向上が確認できました。またアルティメットラダーの舵角変更試験において、ラダーバルブ無しの状態と比べて揚抗比は同程度でした。