プロペラのもつ流体製品ならではの複雑な形状を、二次元の設計データから三次元の立体形状に転換して再現するため、鋳造・加工・仕上げの全ての製造工程において「職人技」と独自ノウハウを結集した「デジタル技術」を融合させ、これらの能力を最大限に活かしたプロペラづくりを行っています。
設計に忠実な形状の再現性こそが流体製品であるプロペラの命です。
長年のプロペラ製造ノウハウにもとづき各メーカと専門的な検討を行い、
精度の高い製品を効率よく生産する設備を共同開発し、生産ラインに導入しています。
また、更なる“最適な製造技術の確立”に向け、努力を続けています。
一品生産に不可欠な職人技は、高度な機械加工技術でも補うことができない、繊細なプロペラ曲面の成型に活かされています。
鋳造品は一般的に、模型を製作してこれをもとに鋳型を造型しますが“一つ一つが最適を形にした一品受注生産品”であるプロペラは、模型を使用することなく、独自の鋳型製作法で造型されています。
廻し型と呼ばれる方法で鋳型の原型を造型し、さらに基準点からの変位(角度・高さ)を表示したNCデータを用いて直接に鋳型を計測しながら、主要ポイントを位置決めし、このポイント間を熟練作業者が滑らかに砂で補間することで正確な鋳型表面を完成させています。
製造工程の最初となる鋳型製作の段階からすでに“個別に最適形状を求める”姿勢をスタートさせていると言えます。
また、プロペラの翼表面の1/100mmの誤差を瞬時に見つけ研磨する表面研磨工程や軸との摺り合わせ作業などにも、高い技能と人間の感性による職人技が生きています。
※ ここでいう1/100mmの誤差は設計値に対する絶対誤差ではなく、連続する曲面のなかで突出して現れる相対誤差を意味しています。