
PRODUCT SOLUTION
可変ピッチプロペラ
可変ピッチプロペラとは
翼角を細かく制御することにより、前進、停止、後進を容易にすることができるプロペラです。サイドスラスタと組み合わせることにより、船速の変化を頻繁に行う必要がある出入港や離着岸の作業をスムーズに行うことができます。また、緊急停止時にも前進一杯から後進一杯まで即座に対応することができます。
翼角を調節することで、常にエンジンを最も効率の良い負荷で回転させたまま、船の速力を自由自在に調整することができるので、燃料の削減やNOxの削減が期待できます。これらのメリットから漁船、タンカー、フェリーやタグボート等、多種多様な船舶に広く採用されております。
固定ピッチプロペラのノウハウから得た独自の設計手法により、最適なピッチ分布とキャンバー分布を決定し、高効率のプロペラを実現させます。ブレード断面は、プロペラ表面に平坦な圧力分布が得られやすい形状を採用しており、キャビテーション性能の向上も達成しています。
特徴
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主機出力を有効に利用し燃料消費量を最小にするような運行が可能。
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前進一杯から後進一杯まで翼角の制御を連続的に行うことで、効率的な運転、高い停止性能、離着岸時間を短縮。
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プロペラ推進効率、主機燃料消費量などを総合的に考慮した最適効率点での運行による、燃料消費量の節減。
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トロール船、曳船などの荷重条件の変化が大きい船でも要求される船速もしくは推力を得ることができる。
- 荒天時の運航の際にプロペラピッチ角を通常運行時よりも減ずることにより、主機のトルクリッチが避けられる。
MODEL XL 大型船舶
主に大型船舶に採用されるタイプです。変節用の油圧シリンダが、船外側のプロペラハブ内に設けられています。プロペラハブの内部に設けられている油圧シリンダが直接プロペラブレードを動かして、翼角を変節させます。送油管に変節力が作用しないので送油管が変形する恐れが無く、ロッド方式と比較して翼角の制御精度に優れています。
さらに、比例制御弁を採用しているため、ALC制御をはじめとする微小な翼角制御えあってもスムーズかつ精度よく行う事が出来ます。
常用/非常用制御弁の2重油圧系統、主変節油/補助変節油のポンプを装備しており、より安全性が高い構造となっています。
【回路図】

MODEL XS 中・小型船舶
主に中小型船舶に採用されるタイプです。翼角を制御する油圧シリンダが船内側の中間軸内に設けられています。油圧ユニットのポンプか
ら出た油は、電磁弁を通ってシリンダ軸のOD ボックスへ入ります。
ピッチ操縦ハンドルを動かすと信号が出力され、圧力油がOD ボックスからパイロットチェックバルブを経てシリンダへ入り、ピストンを押します。これが変節棒を介してクロスヘッドに伝わることで、ブレードを変節される仕組みです。シンプルな構造であるため、メンテナンスコストを低減できます。ハブ内部はグリースによって潤滑されており、ハブ内部からの油漏れも無いため、環境汚染の心配もありません。
【回路図】

