
PRODUCT SOLUTION
499G/T型内航船に特化した新コンセプト
「推進性能を最適化する」で物流を支えてきたナカシマプロペラは、スラスタも重要な推進装置として捉えています。内航海運業界が抱える様々な問題に対し、船舶の安全運航・環境負荷低減に寄与致します。499G/T型内航貨物船向けに独自開発した、将来的には自動離着桟までも視野に入れたコンパクトな全旋回型ジェット式スラスタ、それがSTEER-jetです。
安全性の向上(浮遊物の巻き込み減少)
トンネル型スラスタ使用時に発生するトラブルの一つに、浮遊物の巻き込みが挙げられます。しかしSTEER-jetは船体の側面からではなく船底から海水を吸い込むため、海面を漂うロープや流木などの浮遊物を巻き込む可能性が極めて低くなります。

離着桟時間の短縮・自動化
全旋回型ノズルにより360°全方位にスラストを発生させることができるため、舵と連動させることで真横への移動も可能となります。操船性の向上による離着桟時間の短縮、ひいては自動離着桟の実現にも寄与する、次世代型のスラスタです。

コンパクト設計
従来、当社取扱いのジェット式スラスタ(ショッテルポンプジェット)は横幅が長く、499G/T 型貨物船へ搭載しようとすると船首部に収まらない構造でした。しかし、STEER-jetは船首部に搭載可能なコンパクトな構造を実現し、499G/T型貨物船に最適な推力を発生させることができます。

バラスト調整が不要
トンネル型スラスタを使用する際には、トンネル部分が十分に没水している必要がありますが、STEER-jetは船底から海水を吸い込むためバラストコントロールが不要となり、出航時間の短縮に寄与します。
海水への油漏れの心配なし
ギヤボックス内の潤滑油が海水側へ漏れ出すことのない構造を採用しています。予備シールを設けているため、万が一の時でもメーカ訪問を待たずして処置が可能です。
推進性能の向上
トンネル型スラスタは船体側面の開口部が運航時の抵抗となりますが、STEER-jetは船底に設置されるため抵抗が非常に少なく、推進性能が1 〜2% 向上します。
形式 | SJ-010 |
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アウターウェル開口幅 | 1,130 mm |
アウターウェル開口長さ | 2,390 mm |
入力馬力 | 356 kW |
公称スラスト | 約3.1 ton |
有効スラスト | 約2.95 ton |
質量 | 約4,150 kg |

快適な船内環境(静粛性の向上)
STEER-jetは、トンネル型スラスタに対して静粛性の高い構造のため、船内の快適性に寄与します。
