PRODUCT SOLUTION

空気潤滑システムZERO

まるで空を飛んでいるかのように水中を泳ぎ回るペンギン。

彼らは羽毛に蓄えた空気を微小な泡にして水中に放出することで、泡が潤滑油の役割を果たし水の抵抗を下げているのです。
(国研)海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所と共同で開発した空気潤滑システム「ZERO(Zone 0 ESD for hull Resistance Optimized by AdAM)」は、空気を間欠的に吹き出す新しいコンセプトのシステムで、ブロワーから供給される空気を船底より吹き出し、船体表面に気泡流を形成。

これにより船体と海水間の摩擦抵抗を低減し、船体抵抗を削減します。

さらなる省エネを目指して

近年、推進効率改善・抵抗低減技術として空気潤滑システムが大きく注目されています。
今回ナカシマプロペラが開発・製品化した独自の空気潤滑システム「ZERO」では、従来のシステムよりも高い省エネ効果の実現を目指し、新たな吹出方式及び吹出口形状を採用しています。
各喫水平均で、約3 〜10% の効果が予測されます。

周期吹出方式の実現

当システムは、空気吐出に一定の周期を持たせて間欠的に吹き出す方式を採用しています。
この吹出方式により、従来の連続吹出方式よりも高い摩擦抵抗低減効果を目指しました。
連続的に気泡が流れるよりも、周期的に気泡群が流れる方が抵抗低減効果が高くなることが近年の研究により明らかになっています。
船内に周期吹出装置を搭載し、空気が吹き出る出口を順次切り替えることで、船底での周期的な吹出を実現しています。

低圧損の空気吹出口

船底から所定の空気量を吹き出すためには、各喫水での海水圧より大きなブロワの吐出圧力が必要です。
ブロワから船底までの配管経路での空気の圧力損失を抑えることで、空気を吹き出すために必要なブロワ馬力が削減され、システムの性能向上が期待できます。
今回開発した新型吹出口では、一定の空気膜厚さを形成する際の圧力損失を従来型の吹出口より低減させることに成功しました。