
SPECIAL EDITION
PHILOSOPHY VOICE Vol.03
渡邉 知子

アイデアや創造物を財産として保護する知的財産権。新製品の開発や新規事業の検討などVisionの実現に向けて挑戦的な取り組みを推進しているナカシマにおいて、知的財産権の活用は必要不可欠である。今回は、ナカシマの知財戦略を長年にわたり力添えいただいている弁理士の渡邉先生にお話を伺い、会社が知的財産権を重視することの意義や今後のナカシマへ期待することをお聞きした。
弁理士とはどのようなお仕事ですか。
知的財産権に関する法律を扱う、弁護士のような職業です。製品やアイデアの特許、意匠、商標を登録するうえで、特許庁へ申請するところから最終的に権利が発生するまでの一連の流れを代理で行います。また時には出願に限らず製品開発そのものに関する助言も行います。知的財産権の出願は早いもの勝ちです。その会社が今後展開していくビジネスを見据え、将来製品になりそうなアイデアの種もすかさずキャッチして知財に繋げるようにしています。
知的財産権は製品開発とどのような関係がありますか。
知的財産権と製品開発とは、車の両輪のような関係だと考えています。開発が上手くいき良い製品を出せばだすほど、それに追随しようとする会社も出てくるので、自分たちの製品を権利で守る必要があります。先行してどれだけ良い権利を取得したとしても、そもそもそれを上手く活かせる技術や環境が会社に無ければ、せっかく権利を得たとしても実際に活用することができません。会社のブランドを確固たるものにするために、知的財産権と製品開発とはどちらも欠かせない存在です。
ナカシマと関わることになったきっかけは何でしたか。
20年ほど前、新規事業で販売されていたエクステリア製品に関して大手競合による類似品の販売があり、その際にご相談いただいたのがきっかけでした。在籍していた事務所を2012年に独立した後もプロペラの開発や新製品に関する知財活用のサポートをしています。
今後のナカシマに期待することは何ですか。
製品開発を実現する技術力、国内外とのネットワーク、地域貢献や新規事業の取り組みなど、会社として持っている強みをもっと推進していって欲しいと思います。最終的に、それらをまとめてナカシマのブランドとして集結させていってほしいですね。進め方は会社によって千差万別だと思います。他社の効果的な方法を参考にしつつ、かつ他社には決して真似できない独自の「ナカシマWAY」を見つけ、突き詰めていってほしいと思います。
会社経営において、社員が意識するべきことは何でしょうか。
最近、会社経営に関する話題の中で「六方良し」という言葉をたびたび耳にします。従来の「三方良し(売り手良し、買い手よし、世間よし)」に「社員良し、地球良し、未来良し」の3つが加わったものです。自社の利益だけを求める企業はそもそも見向きもされなくなってきています。会社としてどんな姿を目指したいのか、社会にどう貢献したいかを明らかにし、同じ目標に向かう社員同士でコミュニケーションを取っていくことが、会社を存続させるうえで欠かせないと考えています。
若手社員に伝えたい言葉はありますか?
自分の仕事が面白いか、仕事内容が充実しているかは会社や上司によって決まるものだとお考えの方もおられるかもしれませんが、皆さんご自身が仕事に向き合う姿勢もかなり大事だと思っています。自ら仕事を楽しもうとする姿勢は大切です。気になることがあれば上司や経営者にも意見してみることで、彼らも刺激を受け、お互いに成長するきっかけが生まれることがあります。受け身で指示待ちの状態にならず、「自分から積極的に参加してみよう」「コミュニケーションを取ってみよう」という意識を、どうか大事にしてみてください。仕事のやりがいや面白さを感じるきっかけになると思います。
ご趣味は何ですか?
最近、ジョギングを始めました。昨年10キロマラソンに参加したのをきっかけに、友人と一緒に全国各地のマラソン大会にも参加しています。この写真は新宿で開催されたマラソン大会に参加したときのものです。ほかにも山登りをしたり、学生と交流会を開いたりもして、年齢問わず色々な方々とコミュニケーションをとって刺激を受けています。
2026年にナカシマプロペラは創業100周年を迎えます。
この先も揺るがない「ナカシマWAY」を確立するべく、新たな取り組みを推進していきます。