proprller museum
Nakashima Propeller
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はじめに
第1章 動力推進の幕開け
第2章 動力推進器の黎明の時代
第3章 パドルからプロペラへ
第4章 プロペラの化学のはじまり
第5章 近代海運と大戦の時代
第6章 プロペラの性能の時代
第7章 プロペラの機能の時代
参考文献


7-2.ウォータ・ジェット推進の登場
プロペラが船舶推進のなかで確固とした地位を築き上げていたころ、プロペラとは異なる推進方法の実現に執念を燃やす男がいた。ニュージーランドのウィリアム・ハミルトンは、ポンプから水を吐き出すときの反動で船を進めることを考え、1953年、多段軸流式の推進ポンプを利用したはじめての高速艇用推進装置を開発した。●図30は現在の代表的なウォータ・ジェットであるが、基本的な構造に大きな違いはない。この、海水をポンプで吸い上げ、ジェット状に吹き出して推進力を得る考え方はすでに17世紀に登場していたが、船舶の推進器として実用化がはじまったのはこのときからである。

ハミルトンのウォータ・ジェットは、船が高速で進むとき効率がよいという特色を持っていた。これは、高速運転をするとキャビテーションが起こり、効率が下がる通常のプロペラとはちょうど反対の性質だった。このように推進器はその形態によって、効率が良くなる船速領域が異なるという性質がある。こうしてウォータ・ジェット推進器は、通常型プロペラと住み分けるように、高速艇用の推進器として定着していく。現在日本国内でも数台が可動しているボーイング社のジェット・フォイルはウォータ・ジェットの最も進化したもののひとつである。
プロペラの形状を刷新したハイスキュー・プロペラ
ウォータ・ジェット推進の登場 スキュー・プロペラの普及を促したコンピュータ
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