プロペラがパドルにとってかわりつつある頃、エンジンにも新しい発明がなされていた。1854年に英国のエルダーによって発明された二段式膨張機関は、同じスピードの船の石炭の使用量を三分の一にまで少なくすることに成功した。この成功により、従来の舶用蒸気機関は急激に陰をひそめることになった。
こうしてプロペラにより、1800年代の後半から、50年間で2万馬力の割合で、急速に船舶の高馬力化が進んでいる。現在、一軸あたりの最大馬力は6万馬力程度であり、現代のプロペラはちょうどこの図表を外挿したあたりに位置することになる。