この頃には、パドル翼が常に水面と直角に保つように工夫された可動式のパドルも考案されている(●図9)。また、1869年には、スエズ運河が開通している。
こうした船体の機関、さらには港湾設備を含めた海運技術の発達により、1800年代の終りには2万馬力のエンジンを搭載した船が外洋を航海するまでになっていた。1812年、アメリカとヨーロッパで定期航路に就航していた蒸気船は50隻であった。そして、イギリスを例えに取れば、1850年から1900年の間に貨物の運送量は7倍にも増えていたのである(●図10:文献1)。