proprller museum
Nakashima Propeller
marine propeller TOP
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はじめに
第1章 動力推進の幕開け
第2章 動力推進器の黎明の時代
第3章 パドルからプロペラへ
第4章 プロペラの化学のはじまり
第5章 近代海運と大戦の時代
第6章 プロペラの性能の時代
第7章 プロペラの機能の時代
参考文献


4-3.キャビテーションとの遭遇
高馬力化の進展のなかで、プロペラは新たな問題に遭遇することになる。ウィリアム・フルードが発見して名づけたキャビテーション現象である。

キャビテーションとは、翼の表面に生じる空洞現象のことで、本来水で被われているべき翼の表面に気泡ができることで、プロペラの推力が低下するなどの悪影響を引き起こす。 ●図13は典型的なキャビテーション現象の写真で、推進力の源である負圧が一定以上に強くなると、このように常温でも水が沸騰してしまうのである。一般に、高馬力、高速であるほどキャビテーションが起こりやすくなる。

1894年、蒸気タービンを発明したパーソンズは周到な実験を経て、世界初の蒸気タービンを作り上げ、タービニア号に搭載した。当時としては画期的な高性能のエンジンで、プロペラを毎分1800回転させることで30ノットの高速を得る計画だった。しかし結果は満足できるものではなく、最高速度は20ノットにも達しなかった。
キャビテーションとの遭遇 プロペラの理論の登場
プロペラ実験科学のはじまり
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