この頃、プロペラとは形態が異なる、フォイト・シュナイダーという推進器も登場している。
フォイト・シュナイダーは、1939年頃ドイツで考案されたもので、船底から直角に突き出た4〜6枚の翼を海面と直角な軸まわりに回転させることで推進力を得る装置である(●図28:文献5)。翼の向きはリンク機構により一回転中に変化し、どの方向にでも推力が出せるところに特色がある。すなわち、フォイト・シュナイダー自体で舵の役目も果たす。このため、操船性を要求される作業船や瀬戸内海の連絡船に利用されたものの、その機構の複雑さなどから現在はほとんど姿を消している。